こんにちは!Attaboy運営人のアキラおじさんです!
今回は、鉛筆画で使う鉛筆の特徴と選び方をまとめてみました。
鉛筆画やデッサンを描く際、どのメーカーの鉛筆を選ぶべきか、迷うよねぇww。
ここでは、鉛筆画で使う鉛筆について詳しく紹介しますね。
鉛筆画やデッサンに使用される鉛筆は高品質なものが選ばれます。
芯が丈夫で折れにくく、硬度が揃っていて繊細な濃淡を表現できる鉛筆です。
私自身も学生時代に様々な鉛筆を試しましたが、結局行き着いたのはこの2択。
- 三菱鉛筆の「ハイユニ」
- ステッドラー社の「マルス ルモグラフ」
これらはデッサンや鉛筆画を描くにはおすすめの鉛筆ですよw。
結論から言ってしまうと・・・
- しっとり油分がありちょっと柔らかい線のクセのある描き味が好きな人は「Hi-uni」。
- 乾燥感があり、クセと変化の少ない描き味が好きでプロ嗜好の人は「ルモグラフ」。
- どちらもあまり気にしない、よく分からないという人は完成度が高い「ルモグラフ」。
- どこででも簡単に手に入りやすいことが優先だったら「Hi-uni」。
感覚派の「ハイユニ」、合理主義な「マルス ルモグラフ」といったところでしょうか?
正直に言うと、これらの鉛筆を使って描いた作品の出来栄えには大きな違いはありませんw。
ただ、特徴や描き心地、使い勝手など細かいところに特有の特徴や描画感が存在します。
この微細な違いを知りたいという人も多いので、詳細にまとめてみましたww。
ただ、今回は説明が難しい感覚的なことも多いので、少し前置きが多いかもしれませんけどねww。
初心者にもわかりやすく、鉛筆画やデッサンに最適な鉛筆の選び方やそれぞれの鉛筆の特徴について紹介していきます。どんな鉛筆の特性を使えば硬度や濃淡が出しやすく、より表現力が高まるのか、どの鉛筆がシャープで細かな線を描くのに適しているのかなど、詳しく解説します。
鉛筆画における鉛筆の選び方を理解し、よりクリエイティブな作品を描くためのヒントを探求してみましょう。
鉛筆画用の紙については別ページにまとめているので、こちらを確認してください。
鉛筆の芯の種類と違いについて
まず鉛筆選びの前に、鉛筆の芯の種類について把握しておいてください。
鉛筆は硬度とメーカーによって違いがありますが、鉛筆画やデッサンなどを制作する際には、黒鉛部分に含まれる素材の違いにも注意が必要です。
ぶっちゃけ様々な素材がありますが、絵を描く場合はこの3種類を知っておけば大丈夫です。
グラファイト鉛筆:鉛筆画とデッサンの必需品
グラファイト鉛筆は、一般的な鉛筆として広く使われている鉛筆です。
この鉛筆には、主要な芯材として「グラファイト」という鉱物が含まれています。
実際、「鉛筆」という名前ですが、その芯には鉛は含まれておらず、鉛筆の芯に使われているのはグラファイトと粘土の混合物です。これによって適切な硬さや濃淡表現が可能になってるんですね。
鉛筆画やデッサンで一般的に使用されるのが、このグラファイト鉛筆です。
光を反射するテカリがあり光沢感ある仕上がりで、描き味も軽く、紙への定着感も強くて滑らかなのが特徴。
グラファイト鉛筆は、その硬さによってグレード(HB、2B、4Bなど)が分かれてます。HBは一般的な硬さで、スケッチやデッサンなどに向いてます。一方で2Bや4Bは柔らかく、濃い線を描くことができ、シェーディングやトーン表現に優れてます。Hや2Hなどは薄く滑らかな表現が得意で人肌などのきめ細かな表現に向いてます。
グラファイト鉛筆は、その扱いやすさと幅広い用途により、アーティストやイラストレーターなどにも広く愛用されています。また、鉛筆画の基本として欠かせない役割を果たしており、アートやクリエイティブな活動において不可欠な道具の一つになっています。
カーボン鉛筆:深みと効果的な黒を求めるアーティストのための鉛筆
カーボン鉛筆は、一般的なグラファイト鉛筆とは異なる種類の鉛筆です。
グラファイト鉛筆が主にグラファイトと粘土を芯に使用するのに対し、カーボン鉛筆は芯にカーボン(炭素)素材を含んでいます。
カーボン鉛筆の芯は、カーボン素材と粘着剤を組み合わせて作られています。これにより、グラファイト鉛筆と比べて非常に滑らかな描写が可能です。特に、黒い線を強調したい場合や、鮮やかな黒色の表現を求める際に選ばれます。
カーボン鉛筆は、光沢のないマットな質感で非常に濃い黒が強調されるのが特徴です。
木炭画を描いたことがある人だと分かると思いますが、どちらかと言えばそっち系の仕上がりですよ。木炭のマットな質感の濃さと鉛筆の細かく描き込めるという特徴の、いいとこどりをした鉛筆だと思っておいてください。
一般の鉛筆に比べてカーボン鉛筆は非常に濃い黒を表現でき、紙にしっかりと定着する特性があります。そのため、デッサンやスケッチ、漫画などで黒い線を際立たせたい場面で好まれています。また、写真のハイライトや影の表現にも効果的ですよ。
ただし、カーボン鉛筆は一般的な鉛筆よりも芯が割れやすいため、扱いには注意が必要で、適切な筆圧で描くことが大切。
カーボン鉛筆は、その独特な特性により、アーティストやイラストレーターに幅広い表現の選択肢を提供しています。その深い黒と効果的な描写は、アート作品に深みと個性を与えるのに一役買っています。
チャコール鉛筆:独特の質感と表現力を備えたアーティスト向け鉛筆
チャコール鉛筆は、芯にチャコールという特殊な素材を使用した鉛筆です。
このチャコールは木炭を粉末状にして固めたもので、深い黒の色調とテカリのない質感を持っています。
その軟らかい芯の特性により、チャコール鉛筆は滑らかで濃い黒い線を描くことができます。
特に大きな面積をカバーする描写や、トーンの豊かな表現を求める時に活用されますね。芯は通常の鉛筆よりも太く、広い範囲を素早く描くことができるため、効率的な作業が可能です。
チャコール鉛筆の特徴は、その質感や表現力の異なる一面を活かせる点です。このため、アーティストやアート愛好家は、スケッチやデッサン、アートなどで幅広く使用しています。また、ブレンディング(ぼかし)がしやすい柔らかな描写も特徴で、指や布、専用のブレンディングツールを使って、線をぼかしたりトーンを調整したりすることができます。これにより、立体感や陰影をリアルに表現することが可能です。
ただし、チャコール鉛筆は芯が柔らかいため、繊細な描写には向いていません。細かな線や細密なディテールを描く場合は、他の鉛筆やドローイングペンなどを併用することが一般的です。
正直私はチャコール鉛筆を持ってはいるけど使ったのは1~2度で、結局タンスの肥やしになってしまいましたw。使う使わないは、かなり個人差によって変わる鉛筆の一つだと思いますね。むしろパステル画を描いてる人やデザイン画を描いてる人が愛用しているという印象ですよ。
ちょっとジャンル違いって感じでしょうか?
チャコール鉛筆は、その特有の質感や表現力から、アーティストやアートマニアによって高く評価されているアートツールの一つです。
基本はこの3種類ですが、この芯の種類も気にかけて、自分にピッタリ合った鉛筆を探してみてください。
鉛筆画・デッサン向けおすすめ鉛筆の特徴と違い
メーカー別のおすすめの鉛筆の特徴を説明しておきます。
事前情報として特徴やメリットデメリットの参考にしてみてください。
三菱鉛筆「Hi-uni(ハイユニ)」:豊かな描き味と独特な感覚
- グラファイト鉛筆
- 「Hi-uni」はウエットな感じ。
- 「Hi-uni」は描いてても芯が粘る感じ。
- 描いた後、5日ぐらい経つとしっとりと馴染んで落ち着くような感覚がある。
三菱鉛筆の「Hi-uni(ハイユニ)」は、グラファイト鉛筆の一つです。この「Hi-uni」は、ウエットな描き心地が特徴で、描いていると芯が紙に粘るような感覚を感じることがあります。描いた後、約5日経過すると、しっとりと馴染んで落ち着く印象もありますね。
Hi-uniは言わずと知れた日本の名作鉛筆。
日本だと特別感がまるでないお馴染みの鉛筆ですが、海外では超高品質のブランド鉛筆として高く評価されていて、意外と隠れ愛用者が多い鉛筆です。
私も愛用しているのがこの鉛筆w。
ステッドラーの「マルス ルモグラフ」と比較すると本当に微妙なんですが、よく見ると暖色系の黒って感じで、描いている時に独特のゴリゴリ感というか、ちょうどいい引っかかりがあり、描いてる手ごたえのある鉛筆です。ただし描き重ねていくと芯が滑る感覚はあるんだけどねw。
粘土の性質が影響しているのか、ちょっと油分や水分が多いような印象で、比較的日本の風土に合っているというか、日本人が好きな感覚なんじゃないかなぁw。描いててもほんの少し弾力がある感じ。この独特な粘る感じが描きやすい、表現しやすいって人にはおすすめです。
描き込みもできてシャープにも描けるんですが、どちらかというと丸みが出やすく温かみのある線に仕上がりやすいです。人物画や動物などの有機的なものや風景画なんかに向いていると思いますね。
また、個人的な感覚かもしれなけど、描いてすぐ鉛筆の粉が紙に定着するっていうより、ちょっと浮いてる感じがあります。おかげでぼかしなどは意外とやりやすかったりするんですが、描いた後、5日ぐらいかけてジンワリ油分が馴染んで定着していくっていうような、色味が変わって落ち着いていくというような、そんな感じがある鉛筆ですねww。
正直ワングレード低いuniの鉛筆でもいいんですが、Hi-uniと比べてしまうとかなり硬くて薄いと感じると思います。uniの4BがHi-uniの2Bぐらいの感覚ですね。
しかもゴリゴリしててかなり硬く、同じ系列ブランドの鉛筆とは思えないぐらい違いますね。あえてこの描き味で表現をしたいというのでなければ、最初からHi-uniを使うことをおすすめしますよww。
ステッドラー社「Mars Lumograph(マルス ルモグラフ)」:カリッとした描き心地と高い信頼性
- グラファイト鉛筆
- 「マルス ルモグラフ」はドライな感じ。
- 「マルス ルモグラフ」は乾いた感じでカリカリッて描く感じ。
- カリッとしてて、完成度が高く、時間が経っても変化はあまり感じない。
「マルス ルモグラフ」は、比較的カリッとした感覚で、本当にカリカリ描くという形容詞がピタッと合うドイツ製の鉛筆です。
三菱の「Hi-uni」と比較すると微妙に寒色系の黒で、このクールな乾燥感が病みつきになる鉛筆でもありますよ。
デッサンや製図などではド定番の鉛筆で、プロからの支持も厚く、この鉛筆に対する信頼は非常に高いです。
ルモグラフの描き心地は軽く、まるでタイヤが付いてるみたいにシャーッと滑るように描けるのが特徴かなw。
手に伝わる感触はやや硬めで、しっかりとした芯だと定評があります。ある意味一番描き込みがしやすくてクールなシャープさが出しやすい鉛筆です。
長時間の使用でも疲れにくく、この軽い書き心地と乾いた描写感がクールでプロっぽいと思える人は向いてると思いますよw。
濃さとしてはHi-uniと比べるとほんの少し薄いかな?
ルモグラフの3BがHi-uniの2Bぐらいだと思います。
紙への定着感はかなり良く、描いてすぐ鉛筆の粉はしっかり定着しますね。時間が経ってもイメージはそのまま、安定感のある描写が可能です。その分少しぼかしは苦手かもしれませんw。
「ルモグラフ」はカリッとした感覚を活かして、石膏像などのデッサンに使われることが多いです。オールマイティな万能鉛筆ながらも人工物の描写に向いていると思いますね。
ステッドラー社「Mars Lumograph black(マルス ルモグラフ ブラック)」:真っ黒なカーボン鉛筆では一番有名
- カーボン鉛筆
- 艶消し黒のマットな仕上がりで一番黒く描ける
- とにかく黒く描きたい人におすすめ
- ある意味特殊な鉛筆
ルモグラフを使っていると、同じルモグラフなので必ずと言ってもいいぐらいこのブラックにも興味を持ちますよね。
この鉛筆は、その特有の艶消し黒のマットな仕上がりによって、他の鉛筆とは一線を画します。極めて濃く、深い黒を描くことができます。黒さにこだわりたい人にとってはまさに理想的な選択肢です。一般的な鉛筆よりも一段と黒く描きたい場面において、使い分けできる人にとってはおすすめです。
ルモグラフと違い、カーボン鉛筆なので描いた感じはホントに真っ黒w。
テカリがほぼなく艶消しブラックなので見た目はかなりカッコいいし、作品の写真写りなどはおそらく一番いいと思います。
ただ、正直言って芯も太いし鉛筆としては全く別物っていう感じですよw。
あまり細かい描き込みは得意じゃないけどシャープに描け、柔らかいけどしっかりしてて、ん~、ほぼ「色鉛筆」って感じですww。
ぶっちゃけ私も以前何度か使ったことがあって「こりゃスゲー!」と最初はかなり好感触だったんだけど、実際使っていくと・・・あれ? ちょっと私の描き方と画風に合わない?っていうことがあって、お蔵入りしてしまいましたw。
やっぱりちょっと合う合わないが結構ハッキリしちゃう鉛筆かもしれませんww。
かなり濃い黒なので、ぼかしなども得意なのかと思ったら、紙への定着はかなりいいので、あまりぼかしは得意ではないみたいですねw。この辺も私が使わなかった理由の一つです。
ただ、とにかく黒く描きたい人、ドローイングなどで使いたい人にとってはかなり素早く真っ黒に塗れます。デッサンなどでも人と差をつけたいときなどに使える貴重な鉛筆だと思いますよ。
ファーバーカステル「CASTELL 9000」:老舗ブランドのスタンダート鉛筆
- グラファイト鉛筆
- バランスのとれた老舗ブランドのスタンダート鉛筆
- ステッドラーと似てるけど硬めに感じる描き味
ファーバーカステル社と言えば今の鉛筆の原型を作ったといわれている老舗鉛筆メーカー。そのスタンダード鉛筆が「CASTELL 9000」。
比較的大きな画材屋に行くとバラ売りでも手に入ったのと、ファーバーカステルが「色鉛筆」の分野でも高品質でプロ仕様だという事も知っていたので、Hi-uniに切り替わる前に試したことがあります。
同じドイツ製という事もあってか、ステッドラーの「ルモグラフ」とよく似ている感じはありますね。滑らかな描写と優れた耐久性が特徴で、ルモグラフのような乾いたカリカリ感はなく、一方でHi-uniのような粘る感じもない、まさにちょうどいい感覚です。
ただ、硬めに感じる芯の感覚と、減りが少ない芯の強度・・・多分この鉛筆って、メインは文字を書くための鉛筆? 硬度のバリエーションは揃ってるけど、おそらく絵画用としては初心者向けって感じがするよw。
正直文字を書く鉛筆と絵を描く鉛筆ではだいぶ違いがあるなぁって感じです。
描き味はステッドラーにかなり似てますが、タイプ的には三菱の「uni」に近い感じがします。
芯は硬めで、濃さは「Hi-uni」と比べると2段階ぐらい薄い印象。
カステルの4Bが「Hi-uni」の2Bぐらい。この辺もuniと似てますねw。
価格も高めだし感触はuniに近いので、お金をかけなくても私は「uni」で充分かなぁって思っちゃいましたねw。
ルモグラフともHi-uniとも違う滑らかな描き味でクセもなく、意外とファンも多いです。
鉛筆画初心者や繊細な下書きが必要な人で、他とは一線を画する鉛筆を求める人におすすめです。
北星鉛筆:鉛筆界のニューウエーブ
- グラファイト鉛筆
- アートセットのみで単品売り無し
- 鉛筆の芯は柔らかめ
- ちょっとガサゴソした描き味
下町の鉛筆屋さんの鉛筆です。
鉛筆で賞も受賞してるし絵画コンテストも主宰しているっていう話なので、ちょっと気になって以前使ってみました。
かなり丁寧な作りで上品だとは思うんだけど、ちょっと描いた感じがガサゴソ? 描き味は上品じゃないかなぁ~って感じですかねw。
ただ芯は柔らかめなので、プロ向けっていうより初心者やホビー向けって感じでしょうか?
値段はかなり安いので、子供用としてもいいかもしれないですよw。
ただ、バラ売りはされておらず、セット販売のみなので、ここがちょっと引っかかるかなぁw。
手軽にセットを買って、鉛筆画を始めたいっていう人にはおすすめかもしれませんww。
鉛筆画・デッサンで選ばれる鉛筆以外の画材
鉛筆画の効率を考えるなら、描くツールとしてこれらを使い始めると思います。
- シャープペンシル
- 芯ホルダー
芯フォルダーは2.0mmの芯。
シャープペンシルの芯は0.3~0.9mmぐらいです。
鉛筆画で選ばれる鉛筆(?)としてはこれらが一般的ですかねw。
正直鉛筆を削るのが面倒になってくると、シャーペンや芯ホルダーは非常に効率的で便利です。
太さも揃ってるし、芯だけ削ればいいわけだしねw。
ステッドラーからも三菱ハイユニからもシャープペンシルの芯や芯ホルダーの芯が販売されているので、違和感なく使えると思いますよ。特に芯ホルダーは元々製図用なのでギンギンに尖らせて使う快感はハンパないですww。
ただし、芯ホルダーやシャープペンシルで一度に使える芯の硬度は1本につき一種類だけになるので、替え芯を購入するとストックが大量にあるって感じになってしまいます。よく使う硬度別に複数本か持つか、一種類を使い倒すって感じになってしまいますねww。
これらのペンに違和感を感じない、または下書きに使うっていう人であれば、持ってて便利な鉛筆替わりの画材になると思いますよ。
様々な鉛筆を混ぜて使うのはアリ?
「これだけいろんな種類の鉛筆があるんだったら、「ハイユニ」と「ルモグラフ」を混ぜて使ってみたり、高品質な鉛筆を組み合わせればいいんじゃないの?」
「高品質の鉛筆でおすすめなんでしょ? 全部使えばいいじゃん!」
うん、ぶっちゃけそういうのもアリだと思いますww。
小さな画材屋や文房具屋でも手に入る鉛筆を使って、グラファイト鉛筆だけじゃなくカーボン鉛筆やチャコール鉛筆なども混ぜて描けば表現が広がるかもしれないww。
実際そうやって描いてる器用な人もいるし、絵の設計図のためのデッサンを描いてる人は木炭やパステルまで混ぜて使っている人もいるので全然OKだと思います。
特にカラーで絵を描いてる人は様々な画材を組み合わせて描くのなんて当たり前だからね、常識としてアリだと思います。
ただ、私が知る限り、鉛筆の精密画で、そういう描き方をしている人はほとんどいません。
Hi-uniならHi-uniだけ、ルモグラフならルモグラフだけで統一して描いている人ばかりです。
これはね、実は私、理由もよく分かるんですよww。
黒の濃淡だけで描く鉛筆画だと、色々混ざると「美しくない」んですわw。
鉛筆画って別にデジタルに変換するわけでも印刷物にするわけでもないでしょ? もしそうなら各素材の違いなんて見ても分からないけど、描いた実物の絵を見て楽しむわけじゃない?
黒の濃淡だけというシンプルさゆえに、作品を実際に見るという観点からすると、鉛筆の微妙な違いが光の反射具合で粗として見えちゃうんですよ。
それぞれの鉛筆の特性や素材の違いが、角度を変えると描かれた線に光沢やテカリの違いをもたらて、ド素人であっても異なる鉛筆で描かれた部分や境界線が分かっちゃったりするんだよねw。
別々に描いて時は違いは感じられないんですが、ハイユニとルモグラフを混ぜて使うと、結構ハッキリどっちで描いたか、見ただけで分かるもんなんですよww。
これが「美しくない」。
自己満足に聞こえるかもしれないけど、「絵」ってそういうもんでしょ?
実は上で書いた芯ホルダーやシャープペンシルでも、同じような違いがあります。
以前、私は下書きはシャープペンシル、よく使う2Bだけ芯フォルダーを使ってたんですが、濃さやテカリ具合が鉛筆と違い過ぎて、結局使うのを辞めてしまいました。
同じハイユニの2Bでも、「鉛筆」「芯ホルダー」「シャープペンシル」で、かなり濃淡とテカリ具合に違いがあります。
境界線がハッキリ分かってしまうので、結局違う鉛筆や画材を混ぜて使うという事はやめてしまいました。
誤差が限りなく無い「同じメーカーの鉛筆」だけで描くという形に今は収まってます。
まあ、これはアナログで紙に直接描くという鉛筆画特有の感覚かもしれないんだけどねww。
人の感覚はそれぞれなので、強制はしないけど、プロの画家は確実に同じメーカーの鉛筆だけを使って描いているので、あながち間違ってはいないと思いますよww。それが美しい作品を生むための最良の方法だからなんでしょうね。
色々なことを試すのももちろん大切ですが、最終的な回答は自分自身で見つけてみてください。ぜひ試してみて、あなた自身のアートを楽しんでくださいね。
ルモグラフとハイユニ、私の選んだ結論と感想
結局Hi-uniとルモグラフ、結局どっちがいいんだ!
さっさと、結論を言えや!って人も多いと思いますw。
だいぶ引っ張っちゃいましたが、本当にぶっちゃけたことを言うと、プロが使用ている鉛筆を使えば間違いないっていうのが正直なところww。
最終的に行き着くのは「ハイユニ」と「マルス ルモグラフ」だよね。
この2つを極端に言えば、感覚派の「ハイユニ」、合理主義の「マルス ルモグラフ」といったところでしょうか?
結局私はHi-uniを現在愛用してます。
正直鉛筆の違いなんて結構微妙な違いなので、気にしない人はホントに気にしなくていいレベル。ただ、その細かいこだわりが描きやすさだったり個性の表現に繋がると思ってる人だったらこだわるべし!ってとこだねww。
私は10数年のブランクがあって、あらためて始めた鉛筆画だったんですが、その前からステッドラーからHi-uniへの切り替えというのはやってしまってました。
当時は水彩、アクリル、油彩へと切り替わっていってたっていうのもあるし、最近ではデジタルデザインにも手を出しているわけで、私の好みはどちらかというと、筆っぽい感覚というか、マジックやペンの感覚というか、ちょっと水っぽい書き味っていうのが好きなんだよね。
これはもう、生まれつきの自分の性質みたいなものなのでしょうがないww。
描いてて鉛筆に抵抗感があって、鉛筆の粉が粘る感覚があるっていう所が自分の好みと共通点があると思ったのでHi-uniを使い始めたという感じです。
私とは違って、さらさらした乾燥感のあるドライな感覚が好き、またはそんな感覚的なことは関係なく合理的で無駄が無くキチッと描けることが大事っていう人はステッドラーを選んだ方が良いと思います。
いやいや、そんなの自分じゃよく分かんないしwっていう人は、ぶっちゃけステッドラーを選んでおけば無難です。
正直言って、ステッドラーの方が狂いが少ない製図用として使われているし、美大受験のデッサンでは圧倒的なシェアで、完成度が高い鉛筆です。
カリカリした描き心地で硬めだけど軽く細かい描き込みも得意。時間経過の変化も感じられなくてオールラウンダーの鉛筆ですよ。
ただしメリットはそのままデメリットにもなるのが常なので、クセが無くて優等生なところが、アーティスティックなことをやりたがる、ひと癖ふた癖ある連中にとっては、無性に気になる欠点になってしまうというところがあります。
Hi-uniもステッドラーとは傾向の違うオールラウンダーですが、突き詰めると結構クセのある鉛筆です。
油分が多いので描き込むと鉛筆が滑って細かく描き込めなかったり、粉が浮いてて濃く描けなかったり、手の腹で擦ってしまうと滲んだりボケたりしやすかったり・・・などなど、すでに欠点も多く説明してしまってますが、この日本人に馴染みやすいしっとりした感覚は、捨てがたいww。
特に一気に描き上げるというのではなく、何日かに分けて時間を作ってチマチマ描く私のようなタイプにとっては、粉が浮いてるので油絵みたいに続きが描きやすいっていうのも結構大切ww。
- しっとり油分がありちょっと柔らかい線のクセのある描き味が好きな人は「Hi-uni」。
- 乾燥感があり、クセと変化の少ない描き味が好きでプロ嗜好の人は「ルモグラフ」。
- どちらもあまり気にしない、よく分からないという人は完成度が高い「ルモグラフ」。
- どこででも簡単に手に入りやすいことが優先だったら「Hi-uni」。
こんなところじゃないかなぁww。
正直言って、この「ハイユニ」と「ルモグラフ」の2種類で描き比べても、作品の出来に違いはありませんよw。
使った感触や感覚が違うってだけで、基本的には自分に合う合わないだけの好みの問題です。
もう、自分の気質というか、性質というか、そこに合うものが一番いいと思います。
ぶっちゃけこんなにこだわったことを書いてますが、実際は犬派猫派ぐらいの言い争い程度のもんなんですよw。
気にしない人はまったく気にしないし、爬虫類派、フェレット派なんて変わり種も出てくる。
まずは自分が一番よく使いそうな硬さの鉛筆をいろいろ買って試してみてください。
ある程度使ってみないと分からないものですが、ピタッとくるものがあるかもしれませんよww。
鉛筆の濃淡の考え方 ※鉛筆画は彫刻のように絵を削りだすイメージw
さて、ちょっと話はそれるかもしれないんですが、実はHi-uniとステッドラーのブランドの違いよりも、もっと大切なポイントがあります。
鉛筆の硬度の使い分けです。
鉛筆1本だけで鉛筆画を描いてる人はいませんよね?
鉛筆の硬度(グレード)を使い分けると紙にどんな現象が起きているかを意外と知らずに鉛筆画を描いてる人が多いので、知っておいた方が良いですよ。
ちなみに「どのあたりの硬度の鉛筆を使っているの?」と、よく聞かれるんですが、大体私が使っている幅は4H~6Bぐらい。2Bを中心に、2H、H、B、2B、4Bぐらいをメインで使ってますね。
線で構成していくデッサンの場合は「鉛筆で絵を描く」という感覚なんですが、鉛筆の硬度の特性というのが理解できてからは、鉛筆画の場合「紙を彫刻するように絵を削りだす」という感覚に近くなってきてますw。
鉛筆画で硬度を変えて濃淡のグラデーションを表現するのを基礎として教えている人が多いですが、鉛筆の「硬軟」の考え方と紙への効果について感覚的に理解する方が全然先だと思いますよw。
小学生の時に何度も刷り込まれる「鉛筆の濃さ」。
便宜上、こう言ってるんだと思いますが、これが間違いです。
一般的に、鉛筆の硬度についての常識として、
(薄い)H ←→ B(濃い)
でも、本当は、
(硬い)H ←→ B(柔らかい)
これが正解。
実はこれ、絵を描く場合にはかなり重要です。
理屈で言えば、鉛筆の硬度の違いって、黒鉛に混ぜられる粘土の量が多いか少ないか、あと芯を固めるために焼く温度の違いです。
つまり、Hは粘土量が多く、Bは黒鉛の量が多いっていうことになります。
これ、理論上で言えば、硬さが違うだけで4Hの鉛筆をぐりぐりしつこく塗り重ねれば、4Bの濃さにもなるっていうことなんですよねw。
じゃあ、絵を書く場合の硬度の違いって一体何なんだ?というと、濃い薄いって言う単純な話ではなく、
- B系は、絵を描いている紙より柔らかく、紙が鉛筆を削る。
- H系は、絵を描いている紙より硬く、鉛筆が紙を削る。
これが理屈で無く自分の感覚で理解できてくると鉛筆の使い方が変わってきますよww。
削るという言葉が正しいかどうか分からないですが、紙の表面の凹凸にB系は柔らかくて負けてしまい、乗っている状態。H系は硬くて紙の凹凸を潰して平らにしてしまうと考えてもらえば分かりやすいかな?
なのでB系の鉛筆を擦ると伸びる理由も、凹凸の中に入り込んでマダラになるのでどんな形で伸びるのかも理解できます。H系が女性のきめ細かい肌をミチッと描ける理屈も分かってきます。
私が描いてる絵を解説しているページでも4Bで塗りつぶした上に2Hで塗りつぶしてまた4Bで塗るっていうようなことをやっているのも、この理屈からです。
この「濃淡」に加えて「硬軟」の感覚が分かってくると、かなり描き方が変わってくると思います。
「紙を彫刻するように絵を削りだす」
この感覚、意識して何枚か描いてもらうと分かってくると思うよww。
ぜひ鉛筆の硬度について、理解をちょっと深めてみてください。
【画材初心者】鉛筆画での鉛筆の選び方と特徴!ステッドラーとハイユニ、どっちを選ぶ? まとめ
今回は、鉛筆画で使う鉛筆についてまとめました。
正直最終的にはルモグラフかHi-uniのどちらかになると思います。
まあ、そんなにこだわっても、実際の作品の仕上がりには違いは無いんですけどねw。
- しっとり油分がありちょっと柔らかい線のクセのある描き味が好きな人は「Hi-uni」。
- 乾燥感があり、クセと変化の少ない描き味が好きでプロ嗜好の人は「ルモグラフ」。
- どちらもあまり気にしない、よく分からないという人は完成度が高い「ルモグラフ」。
- どこででも簡単に手に入りやすいことが優先だったら「Hi-uni」。
まとめると…
これでいいと思いますよw。
シャープペンシルや芯ホルダーも独特の面白さがあるので、一度は試してみて、使う使わないを決めてください。
私もそこそここだわりが強い性格なので、ごちゃごちゃ書いてしまいましたが、いろんな作品を描いていくにしたがって、自分も変化するものです。今これが自分に合っていると思っても好みが変わったり画風が変わったりして使うものが変化することって結構良くありますよw。
ぜひいろいろ挑戦してみてください。